踏みとどまること

harry

2008年09月23日 18:46

 運動会が無事に終わりました。
運動会では自分の競技がすべて終わった後は自分の席で応援をするのですが、チビは飽きて椅子から離れ、そばで見ていたわたしのところにやってきて、抱っこ、と言いだすので、先生が終わりというまでは椅子に座って居ないとダメだよと何度も説得しながらではありました。そのような行動をしている一年生とその保護者は他にはいませんでした...。
うちのチビは、周りのお子さんに比べると、幼く、おちつかない子どもではありますが、彼なりに、できなかったこと、感じられなかったことをクリアしてきた一年だったと思います。


 入学してから半年のこの時期に、なぜ、一年、というのか。
それは、ちょうど一年前に、わたしはチビがうけた教育相談の心理テストの結果について悩み、彼をどう育てていけばいいのかを模索していたからです。
 チビは、幸い現在は通常学級で勉強をさせてもらっているけれど、以前から彼には軽度の発達障害の疑いがあり、一年前にうけた診断結果ではボーダーライン上。きわどい結果で、まぁ今後の成長を見守りましょうという形でした。
小学校に入学する直前には、彼がはたして授業中に座っていられるのか、というのが幼稚園の先生と母親であるわたしの懸念でした。先生のほうから、もしかしたら、小学校で補助の先生をつけるとか、授業中にもし騒いでしまったら、一時的にほかの教室(校長先生の部屋とか...)で自習してもらっても良いだろうか、とか。そういうご打診まで頂き、わたしもそんな現実に向き合っていかないといけないのだ、と覚悟をしていました。
 しかし、入学してみると、なんとかそういうことはなく、チビははりきって学校に通い、授業中もしっかりと座って授業を受けているらしい。もっともそのかわり鉛筆のおしりの部分をリスみたいにかじって、発散してるようなんですが(苦笑)
そして、あいかわらずマイペースで、先生もご苦労かけています。
この一年で、彼は彼なりに、よく頑張ってきたと思う。






 先日福岡で起きた、小学1年生の男の子の殺害事件で、犯人は母親でしたね。
そのことを昨日知り、その男の子に障害があったことを知りました。
どんな障害だったのかがとても気になり、今朝の新聞をすぐにみました。
初めて見た母親の顔。固い表情の写真。髪を整えて、いつもにっこり笑って暮らせたらよかったですね、と心の中で話しかけた。でもきっと笑えないくらい日常的に追い詰められてたんだろうな、と思ったり。
男の子の障害は、「環境が変わると勉強に集中できなかったり、周囲が予想できない行動をとったりすることがあり、特別支援学級に在籍。」とだけ印されていました。いろいろな事が想像される書き方です。

そうか。


似ている...でも、より深刻で、さらに大変であったのであろうと思います。

しかし。
つらかった部分の一部は確かに想像できるけれど、
だけど、だけど、殺さないで欲しかったな。自分が産んで、少なくとも6歳になるまで必死に育ててきた子どもを。
命はね、恥ずかしがらずにまじめに言うけど、かけがえがないですよ。ほんとうに。
親の、いや誰の自由にもできないんです。
周りと比べずに、その子と向き合っていくしかない。
もうすこし、踏みとどまって欲しかった。
この子がいなければ楽になれると思い込まないで欲しかった。

わたしは、正直に言うと、一時、子育てが全く楽しくなく、チビのことをわたしは好きじゃないのではないかと悩み、もうだめだとおもったことがありました。
だけど、つらいのは自分だけじゃないんだよな、とわかったので、踏みとどまりました。
この世の中の親は、大なり小なり、みな悩みを抱えています。
障害や病気はあからさまにほかの子どもとの成長の違いを見せ付けられて、親の悩みも深刻だけれど、表面にでてこないさまざまな悩みがどの家庭にも必ずあります。


そして自分だって、けっしていつも笑って居るばかりの育児ではないけれど、
わたしは今、チビの事が大好きですって、ちゃんと言えるから。それがほんとうに嬉しい。


ふとニュースで見て、瞬間的にあれこれ考えて数日前に記事にした今回の事件は、なぜか最初から最後まで、こころに刺さる事件でした。
本当にいろいろなことを思わされ、考えさせられた事件で、きっと忘れられないものになると思います。


その男の子のご冥福を改めてお祈りしたいと思います。
そして母親もしかるべき刑に処されたのちには、できるならば社会に復帰できることを願っております。


あなたにおススメの記事
関連記事