怖かったです・・・・
ブラック・スワンはとても怖かった。
6月1日に劇場で観ました。
そして、ナタリー・ポートマンはほんとうに綺麗でした。
子どもの頃からバレエを習っていたそうで、全くの素人ではないそうですが、それでも!10ヶ月間厳しいトレーニングを積んだそうで、居並ぶ本物のバレエダンサーの中でも堂々と、見まごうことなき美しいプリマドンナを貫禄で演じきっていました。
劇場でこの映画の予告編を観たとき、ああ、この映画を観たいな、とすぐに思いました。
ほんとうに良くできた美しい予告で、バレエや女優を扱う物語でよくありがちな、主役を得たもののその重圧に苦しみ、でも最後には何かをつかむ、というような話かな、と思ったのです。が・・・・。
まあ大筋ではそういうこと・・・ですが、でも、わたしの想像をはるかに越えた、どろどろした、悲しい映画でした。
この予告を観て、うっかりバレエを目指している小さなお子さんが紛れ込んでこないように、きちんとR-15指定(15歳未満の入場禁止)です。
それほど厳しい現実と、人間の欲望と、もろさ、弱さがくもの糸のようにからみあって描かれている映画でした。
繊細で正確な踊りをするニナは白鳥の役ならぴったりだけれど、黒鳥は無理だろうと誰もが考えていました。
でも、どうしてもその役が欲しかったニナは、背伸びをします。
それがこの話の始まりでした。
扇情的な黒鳥がどうしても踊れないニナに対して、周囲の者たちはみな揃って勝手なことをいいます。それぞれが利己的です。
監督は役作りのためにもっと性的に成熟するようせまり、ニナと正反対のライバル、リリーは自分の姿を見せ付け、元バレリーナでニナを溺愛し閉じ込めて育ててきた母親はニナを守ろうとするあまり役から引き離そうとします。
( ・・・おとなしい表現で書いています)
ニナ自身も、今までの自分の殻を破りたいのですが・・・・・黒鳥という大きな存在が次第に重圧になっていきます。
これはホラーというのか、サイコサスペンスというのか・・・・追い詰められていくニナはしだいに現実と妄想が混沌としてどんどん狂気が漂ってきます。
病院で・・・突然恐ろしいシーンがあって、それは詳しくは観ていない人のために伏せますけれど、そこでわたしは驚きのあまり、たぶん椅子からぴょんと飛び上がったと思います・・・^^;
でも、わたしが見える範囲からは、そういう反応をしていた人は居なかった・・・・のですが・・・それくらい怖かったですよ(涙)
観終わってからかなり時間が経ちましたが、最後のシーンを思い出すと今でもせつないです。
ナタリー・ポートマンは、わたしの大好きな映画、「レオン」のマチルダです。
すっかり大人になって、きちんと女優をしているんだなと、しみじみ思いました。